コラム
【速報】2026年保険モニタリングレポートを読む①

本日、金融庁から、2026年保険モニタリングレポートが公表されました。

https://www.fsa.go.jp/news/r8/hoken/20260806/01.pdf
初回は、特に生命保険会社の「保険代理店との適切な関係性の構築に向けた対応」についてみていきます。

https://www.fsa.go.jp/news/r8/hoken/20260806/01.pdf
過度の便宜供与の防止について社内規則の改定や管理態勢の高度化が期待される、として具体的に以下の事例が紹介されています。
(ⅰ) 保険会社から保険代理店に対する契約見込客の情報の提供について、当該保険会社の保険商品の優先的な取扱いを誘引するおそれがあるとして、全面的に停止した事例や、以下の要件を全て満たす場合に限り行うこととした事例。
・ 顧客から対面での説明を要望されているが、自社では対応できない等の事情が存在すること(自社で対面チャネルを備えていない等)。
・ 委託先の保険代理店のうち、当該保険代理店を提供先とする合理的な理由が存在すること。
・ 提供先保険代理店において、顧客の要望に応じ提供元保険会社以外の保険会社の商品の提案も実施可能である等、顧客の適切な商品選択の機会が確保されている旨を検証していること。
・ 契約見込客の提供に関し合理的な対価を設定している、若しくは成約時の代理店手数料を折半(共同募集)していること。
2026年保険モニタリングレポート 8~9p https://www.fsa.go.jp/news/r8/hoken/20260806/02.pdf
特に影響が大きいのはこの(ⅰ) 保険会社から保険代理店に対する契約見込客の情報の提供ではないかと思われます。全面的に停止した事例や、要件を全て満たす場合に限り行うこととした事例として、厳格な要件を設定している点が注目されます。
(ⅱ) 保険代理店が開催・運営するセミナーについて、保険会社が共同開催・運営者となり、又は役務・費用の全部若しくは一部を負担することは、当該保険会社の保険商品の優先的な取扱いを誘引するおそれがあるとして、以下の要件を全て満たす場合に限り行うこととした事例。
・ 保険会社が共同開催・運営者となること、又は役務・費用の全部もしくは一部を負担することについて、対価・費用の相当性、契約条件の合理性(参加・協力の数量(人数)や頻度等を含む)の双方が存在すること。
・ 保険募集とは関係がない内容であり、代理店が当該セミナーを契機とした保険募集を行わないこと。
・ 当該セミナーにおける役務・費用の負担として、仮に保険会社が講師を派遣し、又は保険会社の役職員が講師を引き受ける場合であっても、「特定の保険商品に関する説明・提案・募集を行わない」こと。
2026年保険モニタリングレポート 8~9p https://www.fsa.go.jp/news/r8/hoken/20260806/02.pdf
保険会社による保険代理店の開催するセミナーの共同開催について、一定のメルクマールが示されました。保険募集とは関係がない内容であることが要件にされた例が紹介されています。
(ⅲ) 保険会社による保険代理店への広告出稿について、当該保険会社の保険商品の優先的な取扱いを誘引するおそれがあるとして停止した事例や、実施する場合には、対価・費用の相当性及び契約条件の合理性の双方があることについて厳格な検証を行うこととした事例。
(ⅳ) 保険会社による保険代理店への担当者不在契約の譲渡について、当該保険会社の保険商品の優先的な取扱いを誘引するおそれがあるとして、以下の要件を全て満たす場合に限り行うこととした事例。
・ 自社では対応できない等の事情が存在すること。
・ 委託先の保険代理店のうち、当該保険代理店を譲渡先とする合理的な理由が存在すること。
(ⅴ) 保険会社による保険代理店への自社の会議室の貸与、保険代理店及び保険代理店の関係先が提供する物品・サービスの第三者への紹介について、当該保険会社の保険商品の優先的な取扱いを誘引するおそれがあるとして、以下の要件を全て満たす場合に限り行うこととした事例。
・ 価格・数量・頻度が社会通念と著しく乖離していないこと。
・ 保険代理店からの強制や暗黙の圧力がないこと。
なお、上記は、各社の取組事例を例示したものであり、これらの要件を形式的に満たすことのみをもって過度の便宜供与に該当しないと評価する趣旨ではない。各保険会社においては、顧客本位の商品提供に係る態勢整備の趣旨を踏まえ、実質的な管理態勢及び業務 運営を確保することが求められる。
2026年保険モニタリングレポート 8~9p https://www.fsa.go.jp/news/r8/hoken/20260806/02.pdf
今後は、これらの事例を見ながら各社体制整備をしていくことになると思われます。
執筆者プロフィール

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株式会社Hokanグループ 弁護士/パブリック・アフェアーズ室長
兼コンプライアンス室長
2008年慶應義塾大学法科大学院卒業、2009年弁護士登録(東京弁護士会)。都内法律事務所・損害保険会社・銀行を経て、株式会社hokanに入社。平成26年保険業法改正時には、保険会社内で改正対応業務に従事した経験を持つ。「「誠実義務」が求める保険実務におけるDXの方向性(週刊金融財政事情 2024.9.17)」、「実務担当者のための今日から始める保険業法改正対応」(保険毎日新聞 2025.5.15~7.3)等を執筆。
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