コラム

2024年7月29日
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【法律のプロが解説!】令和6年6月の「業界団体との意見交換会において金融庁が提起した主な論点」が公表されました

執筆者プロフィール

中村 譲
中村 譲
株式会社hokan 法務・コンプライアンス室長/弁護士
2008年慶應義塾大学法科大学院卒業、2009年弁護士登録(東京弁護士会)。
都内法律事務所・損害保険会社・銀行を経て、株式会社hokanに入社。
平成26年保険業法改正時には、保険会社内で改正対応業務に従事した経験を持つ。
これまでに「金融機関の法務対策6000講(共著)」「ペット保険の法的課題(慶應大学保険学会)」「「誠実義務」が求める保険実務におけるDXの方向性(週刊金融財政事情2024.9.17)」を執筆し、日経新聞(2024.9.4朝刊金融経済面)にもコメントが掲載。

2024年7月26日、令和6年6月の「業界団体との意見交換会において金融庁が提起した主な論点」が公表されました。

それぞれの論点のうち、特に保険代理店に影響がありそうなポイントを整理します。

【令和6年6月 14 日開催 生命保険協会】

以下の3項目が重要と思われます。

1. 損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議について

4. 代理店ヒアリングについて

13. 顧客本位の業務運営の確保

1. 損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議について

出典:https://www.fsa.go.jp/common/ronten/202406/05.pdf

損害保険業界の課題についての有識者会議ですが、その中でも以下の意見は生保業界にも影響があるとされています。

  • 大規模乗合代理店への実効的な指導・監督を行うための仕組みを設けるべき
  • 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律における顧客等に対する誠実義務の趣旨も踏まえ、適切な比較推奨販売を行うよう求めるべき

4.代理店ヒアリングについて

出典:https://www.fsa.go.jp/common/ronten/202406/04.pdf

保険代理店チャネルが主力販売チャネルとして重要性が高まっていること、また、業務品質評価運営が代理店の業務品質向上に活用されていることなどが報告されています。

13.顧客本位の業務運営の確保

出典:https://www.fsa.go.jp/common/ronten/202406/04.pdf

特に外貨建一時払保険に焦点が当てられており、こちらについては保険モニタリングレポートでも言及されております。
▼保険モニタリングレポートの解説記事はこちら

【法律のプロが解説】インシュアテック企業のインハウスローヤーが読む保険モニタリングレポート①

【法律のプロが解説】インシュアテック企業のインハウスローヤーが読む保険モニタリングレポート②

【法律のプロが解説】インシュアテック企業のインハウスローヤーが読む保険モニタリングレポート③

【令和6年6月 13 日開催 損害保険協会】

以下の項目が重要と思われます。

1.損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議について

出典:https://www.fsa.go.jp/common/ronten/202406/04.pdf

有識者会議については繰り返し言及していますが、特に特に抜粋された下記の意見については注目が必要と思われます。

  • 大規模乗合代理店への実効的な指導・監督を行うための仕組みを設けるべき
  • 政策株式の保有や便宜供与の実績等、保険商品の内容と関係のない理由で幹事やシェアが決まる商慣行を見直すべき
  • 代理店手数料ポイントについて、規模・増収に偏ることなく業務品質を重視するようにすべき

このうち、「実効的な指導・監督を行うための仕組み」はこれまでの保険会社による代理店の指導・監督という原則は維持しつつも、その実効性を高めるための仕組みとしての第三者評価のことと思われます。

 

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