コラム
【超速報】比較推奨販売に関するパブリックコメントを読む③_保険会社と乗合代理店との間で代理店委託契約又はこれに基づく覚書等により取り扱う保険契約を限定する場合

保険会社と乗合代理店との間で代理店委託契約又はこれに基づく覚書等により取り扱う保険契約を限定する場合について、具体的にはどうしたらいいのでしょうか。
今回は第2回の実務的な記載の部分を取り扱います。
- 扱う論点
- 「覚書等」の合意の証跡はどうすればいいか
- 契約・覚書等で明確化したうえで、取り扱えない商品についてはシステム制御等により実際に募集できないよう実効的に担保することが求められること
- 代理店委託契約の終了予定があった場合はどうか
- 拠点ごとや募集人資格(変額・外貨建・少額短期)による限定と、他拠点への引継ぎ義務
1 「覚書等」の合意の証跡はどうすればいいか
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当該委託契約等に係る具体的な手続き等に関する事項については、委託対象の保険契約の範囲が明確に確認できるよう、契約当事者間において定められるべきとされました。
まずはここから代理店と保険会社間で手順を決めていくことが求められます。
2 契約・覚書等で明確化したうえで、取り扱えない商品についてはシステム制御等により実際に募集できないよう実効的に担保することが求められること
| №341 |
| Q 乗合代理店は、自身の判断(社内規則等)のみで、取り扱う商品を限定することは適切ではなく、乗合代理店が保険会社から委託契約書に基づき販売を委託され取り扱うことができる商品の中から取り扱う商品を限定する場合においては、取り扱う商品を限定する合理的な理由が認められること、かつ、乗合代理店の判断(社内規則等)のみではなく、保険会社と乗合代理店の委託契約書(委託契約書に基づく覚書を含む)で定めること、かつ、限定された商品以外は乗合代理店が取り扱えないよう措置(例えば、代理店がシステムにおいて当該商品の申込を出来なくする対応等や、保険会社が帳票・募集書類一式を代理店に送付しない対応、保険会社によるシステム対応等が考えられる。)を講じることが必要である、という理解でよいか。 |
| A 貴見のとおりです。 乗合代理店が取り扱う保険契約の範囲を限定する場合には、比較推奨販売の適正化の観点からは、乗合代理店が社内規則等のみにより、取扱保険契約や保険種類、営業所・店舗ごとの取扱保険契約を恣意的に限定し、顧客の適切な商品選択の機会を実質的に阻害するような運用は適切ではありません。 また、顧客本位の業務運営の確保を目的とする合理的な理由により取扱範囲を限定する場合であっても、所属保険会社等との間で当該委託契約又はこれに基づく覚書等により明確化される必要があります。また、このとき、取り扱えない保険契約が誤って顧客へ提案されないよう、例えば、システム制御、募集書類・帳票の管理、保険会社による取扱制限等、保険会社及び乗合代理店において実態に即して実効的に管理されることが重要と考えます。 なお、顧客本位の業務運営の確保を目的とする合理的な理由なく、形式的な委託範囲の限定を行うことにより、保険会社からの便宜供与等の見返りとして、特定の保険会社の保険契約を優先的に取り扱うなど、顧客の適切な商品選択の機会を実質的に阻害するおそれのある業務運営を行う場合には、比較推奨販売規制を潜脱するものとして問題となり得ます。 また、顧客に対しては、権限明示を適切に実施するとともに、当該限定を行う場合には、当該代理店が取り扱う保険契約の範囲について誤認を与えないよう、適切に説明することが重要です。 |
覚書等で取扱い範囲を制限した後に、実際に「システム制御、募集書類・帳票の管理、保険会社による取扱制限等、保険会社及び乗合代理店において実態に即して実効的に管理されることが重要」とされました。
3 代理店委託契約の終了予定があった場合はどうか
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代理店委託契約を終了予定であるから新規募集をしないという判断は危険です。
当該委託契約の解消に向けた準備期間中であっても、新規募集を停止する場合には、所属保険会社等との間で、例えば、新規募集停止の対象となる保険契約、停止時期、既契約の保全・更改対応の範囲等について、当該委託契約又はこれに基づく覚書等により明確化、さらに実効的な管理が求められます。
4 拠点ごとや募集人資格(変額・外貨建・少額短期)による限定と、他拠点への引継ぎ義務
| №343 |
| Q 乗合代理店において、変額保険及び外貨建保険を販売している所属生命保険会社のうち、一部の所属生命保険会社についてのみ保険募集人の変額保険販売資格者登録及び外貨建保険販売資格者登録を行っている場合、顧客の意向により変額保険・外貨建保険を提案する際に当該登録を行っている所属生命保険会社のみを対象に変額保険・外貨建保険を選別・推奨することは「保険募集人や乗合代理店の都合による」ものではないとの理解でよいか。 |
| A 所属保険会社等との代理店委託契約又はこれに基づく覚書等において、貴見のケースに係る取扱いが具体的に定められている場合には、取り扱う保険契約にはならず、「二以上の比較可能な同種 の保険契約」の対象にはならないものと考えます。 ただし、その場合であっても、顧客に対しては、乗合代理店全体として当該保険契約を取り扱うことが可能であり、顧客が当該保険契約の説明又は提案を希望する場合には、必要な資格等を有する他拠点の保険募集人に引き継ぐなど、顧客の適切な商品選択の機会を不当に狭めない対応が重要です。 なお、合理的な理由なく、当該取扱いを形式的に利用して、顧客の適切な商品選択の機会を実質的に阻害するおそれのある業務運営を行う場合には、比較推奨販売規制を潜脱するものとして問題となり得ます。 |
| №344 |
| Q 拠点毎に配置された保険募集人の販売資格や届出・登録状況が異なる乗合代理店において、例えば少額短期保険募集人が在籍していない拠点や変額保険販売資格者登録・外貨建保険販売資格者登録された保険募集人が在籍していない拠点で、顧客の要望に応じて必要な資格を有する他拠点の保険募集人にて対応することもできることを明示しておくことで、当該拠点としては在籍する保険募集人にて販売できる範囲を比較可能な同種の保険契約として提示・推奨することは認められるとの理解でよいか。 |
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A 比較推奨販売の対象となる「二以上の比較可能な同種の保険契約」は、原則として、代理店委託契約又はこれに基づく覚書等により、当該代理店が取り扱うこととされている保険契約を前提に判 |
販売資格登録を有する募集人しか取り扱えない商品についても、所属保険会社と具体的な取扱いについての合意が求められます。
また、この取り扱いについても合理的な理由が必要とされました。
執筆者プロフィール

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株式会社Hokanグループ 専門役員グループCPAO
2008年慶應義塾大学法科大学院卒業、2009年弁護士登録(東京弁護士会)。都内法律事務所・損害保険会社・銀行を経て、株式会社hokanに入社。平成26年保険業法改正時には、保険会社内で改正対応業務に従事した経験を持つ。「「誠実義務」が求める保険実務におけるDXの方向性(週刊金融財政事情 2024.9.17)」、「実務担当者のための今日から始める保険業法改正対応」(保険毎日新聞 2025.5.15~7.3)等を執筆。
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