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2026年9月15日
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【速報】企業内代理店に関する監督指針改正を読む③ ― 適用除外の枠組み②

https://www.fsa.go.jp/news/r8/hoken/20260911/02.pdf

4 (ウ)架け替え等の禁止

3つ目の要件は、いわば包括条項です。

> 上記(ア)及び(イ)のほか、例えば、損害保険代理店間において特定契約の架け替えを行うといった、損害保険代理店の自立を阻害し、又は損害保険代理店に対する手数料の支払が実質的に保険料の割引・割戻しに該当するなどの法第295条の趣旨に反する行為が行われていないこと。

比率の分母を膨らませる、あるいは分子を他の代理店に移すといった形式的な回避策を封じる規定です。

「例えば」とあるとおり列挙は例示であり、脱法的な工夫は趣旨違反として厳格に対応されることが想定されます。

 5 判定と報告、そしてモニタリング

https://www.fsa.go.jp/news/r8/hoken/20260911/02.pdf

判定は事業年度ごとに行います。

特定契約取扱代理店であることが判明した場合には、至った事由および是正計画を付して、判定を行った月の翌月末日までに財務局または福岡財務支局(沖縄総合事務局を含む)へ報告することが必要です。

そのうえで、新設された④が監督上の手当てを定めています。

> 自己契約又は特定契約の取扱状況等については、保険会社又は保険募集人に対するオフサイト・モニタリングを行うことや、必要に応じて法第128条又は法第305条に基づく報告を求めること、法第129条又は法第305条に基づく立入検査の実施を通じて把握することとする。その上で、重大な問題があると認められる場合には、法第132条、第306条又は第307条第1項に基づき行政処分を行うものとする。

報告徴求、立入検査、そして業務改善命令・登録取消しまでの行政処分へ至る流れが明記されました。

これまで特定契約比率規制は、代申会社による管理・指導を通じた間接的な規律という色彩が強かったところですが、金融庁が募集人に対して直接手を伸ばす経路が条文上明示されました。

また、代理店側にも次の作為義務が新設されています。

> 代申会社が特定契約の状況を把握し、厳正に管理・指導を行うために、損害保険代理店は、自らが保険募集を行う特定契約を把握し、所属保険会社に対して適切に情報を共有しているか。

これは適用除外を取得するか否かにかかわらず、すべての損害保険代理店に及ぶ規律であり、注意が必要です。

 6 保険仲立人の扱い

Ⅴ-5-5も改正されます。保険仲立人については、損害保険代理店の取扱い(Ⅱ-4-2-2(6)②)に準ずるものとしつつ、適用除外を定めるイ.は準用対象から外されました(「イを除く」)。

そのうえで、次の除外規定が新設されています。

> ただし、Ⅴ-4-4(1)①の規定に基づき、保険仲立人が顧客のみに対して手数料等を請求する保険契約については、特定契約に該当しないものとする。

顧客から委託を受ける立場にある保険仲立人が、顧客のみから媒介手数料を受領する場合、保険会社からの手数料を通じた保険料の実質的割引という問題は構造的に生じません。その意味で、整合的な手当てといえます。

同時にこれは、フィー型のブローカーに移行することについて、企業保険市場の選択肢として位置づける方向性を示すものとも読めます。

企業内代理店の存続を見直す企業にとって、保険仲立人への移行は選択肢のひとつになるかもしれません。

 7 適用除外取得に向けたチェックポイント

適用開始は2030年4月1日以後開始事業年度です。上記のうち、人員配置と三線構築は、採用や組織改編を伴うため最もリードタイムが長くなります

2027年度中には方針を固め、2028年度から段階的に構築、2029年度に試行・点検、というのが無理のない工程ではないでしょうか。

執筆者プロフィール

中村 譲
中村 譲
株式会社Hokanグループ 専門役員グループCPAO
2008年慶應義塾大学法科大学院卒業、2009年弁護士登録(東京弁護士会)。都内法律事務所・損害保険会社・銀行を経て、株式会社hokanに入社。平成26年保険業法改正時には、保険会社内で改正対応業務に従事した経験を持つ。「「誠実義務」が求める保険実務におけるDXの方向性(週刊金融財政事情 2024.9.17)」、「実務担当者のための今日から始める保険業法改正対応」(保険毎日新聞 2025.5.15~7.3)等を執筆。
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