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2026年2月24日
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「金融庁 AI官民フォーラム」(第4回)議事要旨 を読む

令和7年12月23日に開催された「金融庁 AI官民フォーラム」(第4回)議事要旨(https://www.fsa.go.jp/singi/ai_forum/gijiyoshi/20260122.html)が公表されました。

今回は、AI官民フォーラム(第4回)のポイントを追っていきたいと思います。

1 第4回フォーラムの位置づけ

https://www.fsa.go.jp/singi/ai_forum/siryou/4-1.pdf

第4回フォーラムでは、AIガバナンスが議論されました。

AIガバナンスにおいては、「事前に固定化した手続きやルールを設けるのではなく、運用と評価のサイクルを回すと同時に継続的な改善を行うアジャイル・ガバナンスの重要性が指摘されている。」ことから、体制だけでなく繰り返し改善される運用を視野に入れた態勢整備が念頭に置かれます。

2 SOMPOの取り組み

保険業界からは、SOMPOの取り組みが紹介されました。

考え方として、「安全」と「安心」を使い分けて取り組みを進めている点が印象的です。

https://www.fsa.go.jp/singi/ai_forum/siryou/4-2.pdf

 

「AIの誤謬性を考慮すると、技術的な安全性を担保し、リスクを共有する「安全」という状態であるとともに、不安を解消した「安心」という状態でなければ社会におけるAIの導入は進まない。「安全」を客観的に示し、「安心」につなげることがキーフレーズになる。」(https://www.fsa.go.jp/singi/ai_forum/gijiyoshi/20260122.html

「安全」というのは客観的に示せる「技術的な安全性を担保し、リスクを共有する「安全」という状態」であり、「安心」というのは顧客やユーザーの「不安を解消した状態」とされています。

  • 安全 「技術的な安全性を担保し、リスクを共有する「安全」という状態」
  • 安心 「不安を解消した状態」

「安心する」と「安心させる」が違うものですから、下図のとおり整理されたひとつひとつ不安となるAIの判断の失敗を解消していき、安心してもらえる状態を目指すということかと思われます。

そのうえで、AI原則から一歩進んで、原則だけでは対応が難しくなった透明性や説明可能性という要素について、AIガバンスによって受容可能な最小限のリスクを共有し、AI活用による価値の最大化が目指されるという方針は今後のスタンダードになりうる重要な概念の解釈と思われます。

 

 

https://www.fsa.go.jp/singi/ai_forum/siryou/4-2.pdf

https://www.fsa.go.jp/singi/ai_forum/siryou/4-2.pdf

 

3 パネルディスカッションから

https://www.fsa.go.jp/singi/ai_forum/gijiyoshi/20260122.html

 

「ネガティブ・ケイパビリティ」は、昨年(2025年)のホケンノミライ(https://data.wingarc.com/hokennomirai2025-79338#GuardTech2025)で、比較推奨販売の場面で必要なものとして「すぐに決めない勇気」としてお話しさせていただいた概念です。

 

AIの活用に飲まれず、自律的に考えること、が一層求められるようになってきます。

保険募集の場面でも、しっかりと顧客の最善の利益を勘案するために、一定の時間を確保し「すぐに回答が出ない状態に耐える能力」が重要となります。

執筆者プロフィール

中村 譲
中村 譲
株式会社Hokanグループ 弁護士/パブリック・アフェアーズ室長
兼コンプライアンス室長

2008年慶應義塾大学法科大学院卒業、2009年弁護士登録(東京弁護士会)。都内法律事務所・損害保険会社・銀行を経て、株式会社hokanに入社。平成26年保険業法改正時には、保険会社内で改正対応業務に従事した経験を持つ。「「誠実義務」が求める保険実務におけるDXの方向性(週刊金融財政事情 2024.9.17)」、「実務担当者のための今日から始める保険業法改正対応」(保険毎日新聞 2025.5.15~7.3)等を執筆。
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