コラム
2025年12月 業界団体との意見交換会において金融庁が提起した主な論点 を読む

2025 年12月18日開催 の日本損害保険協会と金融庁との意見交換会で提起された論点(https://www.fsa.go.jp/common/ronten/202512/01.pdf)が公表されました。
1. 監督指針改正について
○ 「保険業法の一部を改正する法律」(令和7年5月30日成立、6月6日公布、公布の日から1年以内に施行)の施行に向けた内閣府令の改正案と併せて、「保険会社向けの総合的な監督指針」についても改正案を公表し、2025年12 月17日よりパブリックコメント手続を開始した。公表した監督指針の改正案に関する御意見は、2026年1月30日まで受け付けている。
○ 監督指針の改正案においては、各保険会社・保険代理店における体制整備や実務上の対応の参考としていただくため、内閣府令の改正案により求められる内容のほか、「保険会社の保険金等支払管理態勢の確立」や「保険仲立人と保険代理店の協業の解禁」等、監督指針改正のみで対応する施策に関して、監督上の対応における必要性に応じて、保険会社・保険代理店に対して求める具体的な内容や、監督上の着眼点を明らかにしている。
○ 今後、パブリックコメントで受け付けた意見も踏まえて監督指針の改正案を最終化する予定であるが、日本損害保険協会・会員会社においては、改正後の監督指針の内容も踏まえつつ、損害保険業界全体の信頼に向けた取組を引き続き進めていただくとともに、必要な態勢整備を進めていただきたい。
監督指針改正について触れられています。
パブリックコメントは1月30日で締め切られていますので、結果の公表が待たれるところです。
前回の監督指針改正は、パブリックコメントの結果の公表とともに施行されたこともあり、「改正後の監督指針の内容も踏まえつつ、損害保険業界全体の信頼に向けた取組を引き続き進めていただくとともに、必要な態勢整備を進めていただきたい。」とのメッセージをうけ、対応に着手すること自体は結果の公表を待つ必要はなく、今の段階でできることは進めておくという心構えが必要となります。
2.外部委託先管理の徹底について
○ 昨今、保険会社の外部委託先において、サイバー攻撃等により、保険会社の顧客情報の漏えいが続いていることを踏まえ、2025年12月5日付で「外部委託先管理の徹底について」の文書を発出した。
○ 今後、各保険会社において、損害調査を含む業務の外部委託を行う際には、保健医療情報等の機微情報を扱うことを踏まえ、
・ 外部委託先の選定において、単なるチェックリストの確認にとどまらず、実態を深く検証するデューデリジェンスを行う
・ 外部委託後のモニタリングにおいて、不要な顧客情報の消去状況を含めて、機微情報を含む顧客情報の管理の状況を確認する など、委託業務の的確な遂行そのほかの健全かつ適切な運営を確保するための措置を徹底していただきたい。
保険会社のサイバー攻撃を受ける事例が相次いだことを受けて、事務連絡がなされたことがわかります。
(関連して12月8日には、損保協会からも「業務委託先における不正アクセス被害に伴う 情報漏えいについて 」(https://www.sonpo.or.jp/news/notice/2025/a5663v0000000dfy-att/251208_01.pdf)という文書が出ています。)
外部委託先管理において、DDを行うことや「不要な顧客情報の消去状況を含めて、機微情報を含む顧客情報の管理の状況」を確認することが求められます。
執筆者プロフィール

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株式会社Hokanグループ 弁護士/パブリック・アフェアーズ室長
兼コンプライアンス室長
2008年慶應義塾大学法科大学院卒業、2009年弁護士登録(東京弁護士会)。都内法律事務所・損害保険会社・銀行を経て、株式会社hokanに入社。平成26年保険業法改正時には、保険会社内で改正対応業務に従事した経験を持つ。「「誠実義務」が求める保険実務におけるDXの方向性(週刊金融財政事情 2024.9.17)」、「実務担当者のための今日から始める保険業法改正対応」(保険毎日新聞 2025.5.15~7.3)等を執筆。
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