コラム

2025年10月29日
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第3回代理店業務品質評議会  公表された配布資料を読む

10月24日、第3回代理店業務品質評議会にて配布された資料が公表されました(https://www.sonpo.or.jp/about/efforts/quality/hyogikai.html)。

今回の議題は、1.本格運用に向けた対応について、2.「代理店業務品質に関する評価指針」の改正について となっており、特に本格運用に向けてフォローアップ点検、自己点検チェックシートに関して議論がなされています。

1 フォローアップ点検について(資料1)https://www.sonpo.or.jp/about/efforts/quality/g34l0i0000003uts-att/follow-up.pdf

今回はフォローアップ点検方針において、「 「顧客本位の業務運営」の徹底を図る観点から、中立的な第三者の立場で直接対話することを通じて、代理店および保険会社に対して、自律的な改善を促す「気づき」の機会を提供し、保険会社による代理店指導等を補完します。」として、評議会からの働きかける対象に保険会社が含まれることが追記されました。

代理店に対する点検と並行して、指導監督する側である保険会社の保険代理店に対する指導等の状況も併せて確認されることとなります。これにより、保険会社からの指導状況についても一定の質が確保されることが期待されます。

 

2 自己点検チェックシート等の改訂について(資料2)https://www.sonpo.or.jp/about/efforts/quality/g34l0i0000003uts-att/check_sheet.pdf

自己点検チェックシートの改訂については、項目の見直しなどが取り上げられています。

チェック項目が非常に多いといわれている(特に、自社が取り扱っていない事項についても回答が必要で、どう回答すべきか手が止まり、工数がかかる)との話が出ていました。今回は、チェック項目の削減もありながら、銀行窓販の弊害防止措置についてもチェックされることとなりました。

銀行窓販の弊害防止措置については、8月28日公表のパブリックコメントにおいて以下の回答がなされたこともあり、評価基準が網羅的な内容となるよう、代理店として確認が必要な事項として追加されるということかと思われます。

本日、損保協会から公表された新旧対比表(https://www.sonpo.or.jp/about/efforts/quality/files/betsu_3.pdf)によると以下の部分です。

また、自己点検チェックシートの改訂とは別に意見公募で寄せられた意見を踏まえ、 代理店における好取組事例等の情報公開として、代理店および保険会社の取組みの参考として、また、広く消費者が代理店の活動を理解することができるよう、適切に情報公開を行うことも検討されています。

3 「代理店業務品質に関する評価指針」の一部改正について(資料3)https://www.sonpo.or.jp/about/efforts/quality/g34l0i0000003uts-att/shishin.pdf

利益相反管理に関する部分が、これまでは「(他業との間に利益相反が生じ得る兼業代理店や、紹介料を受領するケースがある代理店の場合)利益相反管理態勢を構築し、過大な保険金請求に繋がるような行為を防止しているか。」とされており、 兼業代理店を念頭に置いていましたが、今後は専属代理店も、金融事業者としての顧客本位の業務運営の原則に則り、業務の実態に応じた措置が必要となります。

本日、損保協会から公表された新旧対比表(https://www.sonpo.or.jp/about/efforts/quality/files/betsu_2.pdf)によれば、以下のとおりです。

 

執筆者プロフィール

中村 譲

中村 譲
株式会社Hokanグループ 弁護士/パブリック・アフェアーズ室長
兼コンプライアンス室長

2008年慶應義塾大学法科大学院卒業、2009年弁護士登録(東京弁護士会)。都内法律事務所・損害保険会社・銀行を経て、株式会社hokanに入社。平成26年保険業法改正時には、保険会社内で改正対応業務に従事した経験を持つ。「「誠実義務」が求める保険実務におけるDXの方向性(週刊金融財政事情 2024.9.17)」、「実務担当者のための今日から始める保険業法改正対応」(保険毎日新聞 2025.5.15~7.3)等を執筆。
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