コラム
満期更改漏れが収益に直結 ─ 生保プロ代理店が軽視できない損保満期

損保契約の“わずか1割”が、代理店経営を左右する理由
こんにちは、株式会社hokanです。
生命保険を主軸に展開する多くのプロ保険代理店様では、損害保険の取扱いは生命保険に比べて相対的に少なく、ごく一部にとどまるケースも見られます。この比率だけを見ると「事業の本筋ではない」と考え、後回しにされがちな領域かもしれません。
しかし実際には、この少数の損保契約こそが 満期更改漏れや属人化、誤案内のリスク を引き起こし、経営そのものを揺るがす落とし穴になるケースが少なくありません。
1.現場で起きている課題
- 顧客情報が分散する
損保の満期管理が紙やExcelに散らばり、更改漏れや二重登録が発生する。 - 履歴が残らない
「誰がいつ、何を顧客に伝えたか」が不明確で、担当者不在時に誤案内や顧客不信を招く。 - 雑務化する
損保更新が事務作業化し、クロスセルや紹介依頼のチャンスを逃してしまう。 - 経験頼みになる
満期更改案内のタイミングや優先度が担当者の勘と経験に依存し、繁忙期に漏れが発生する。
日々の業務では「小さな手間」や「少しの遅れ」として見過ごされがちですが、積み重なると大きなリスクに直結します。
2.経営層が押さえるべき外部環境の変化
損害保険協会は、2026年度から「代理店業務品質に関する評価指針(損保代理店向け)」を本格運用予定です。特に注目すべきは以下の2点です。
- 意向把握の記録
「なぜその保険商品・補償内容を提案したのか」を説明できる記録が必須。 - 比較推奨販売の証跡
公的保険制度の情報提供を踏まえた募集や、その確認プロセスを記録・検証できる体制が求められる。
従来のように「担当者が説明したが、記録が残っていない」状態は、法令違反や基準違反につながりかねません。経営層にとっては、満期更改の遅延=収益リスクであるだけでなく、法令遵守リスクそのもの へと直結しています。
参考「一般社団法人日本損害保険協会 代理店業務品質評価を行う業界共通の枠組み」:
https://www.sonpo.or.jp/about/efforts/quality/index.html
3.経営に与えるインパクト
- 収益面
更改漏れ、営業機会の損失=数百万円規模の収益機会損失に直結。 - 顧客維持面
誤案内や更改手続きの遅延、事故対応の遅れが解約につながるケースも。 - 組織面
属人化が進むと、退職や休職で業務が途切れ、更新対応や顧客対応が滞るリスク。
損保の売上比率は小さくても、そのリスクは「収益・信頼・法令遵守」という経営の根幹に直結しています。
参考「保険代理店の経営や業務運営に関わる課題調査の結果」:https://x.gd/PLFWl
4.解決の方向性
- 情報の一元化
生保・損保を問わず、顧客情報・契約内容・対応履歴を一つの基盤に集約する - 仕組み化
満期更改の進捗を可視化し、誰でも同じ水準で対応できる状態を実現する - 再現性の確保
属人的ノウハウを仕組みに置き換え、安定した業務を継続する
ある代理店様では、情報の一元管理がされていなかったため、損保と生保のチームが同一顧客に対応する際に二重案内が発生していました。 さらに、逝去に伴う契約者変更の場面でも世帯情報が紐づかず、元の契約者を把握するのに多大な手間がかかっていました。 hokan導入後は顧客単位で履歴を一元化し、最新状況を即座に把握できるようになったことで、チームをまたいだ対応もスムーズになり、満期更改業務が効率化されました。
※hokanユーザーの満期更改システム化イメージ
実際の代理店様の事例はこちら:https://hkn.jp/case/ktn/
5.まとめ
満期更改は単なる事務作業ではなく、代理店経営を左右する経営課題の一つです。
法令を遵守しながら、属人化から脱却し、収益・信頼・コンプライアンスを守る仕組み化は、今後の代理店経営において不可欠なテーマとなっています。
今回の内容をさらに深掘りした「保険代理店が顧客管理システムを導入すべき4つの理由」として、整理した資料をご用意しました。ぜひご参照ください。
資料はこちら:https://hkn.jp/material/ebook_2/
以上となります。最後までお読みいただき、ありがとうございました!
今後も皆様のお役に立てるような情報提供を行ってまいります。引き続き、よろしくお願いいたします。
執筆者プロフィール

- 株式会社hokan カスタマーサクセス
新卒から約10年間、損害保険代理店で法人営業に従事。損害保険の提案営業、満期更改業務や事故対応を経験。その後、介護事業者向けクラウドサービスのカスタマーサクセスとして、既存顧客の支援や活用促進、売上拡大の施策に取り組む。その後、開発者向けプラットフォームのカスタマーサクセスを経て、2025年に株式会社hokanへ入社。カスタマーサクセスとして既存顧客への導入支援や活用促進に従事。
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