コラム
【速報①】令和7年8月28日公表 「保険会社向けの総合的な監督指針」等の一部改正(案)に対するパブリックコメントの結果等の公表について を読む

8月28日、金融庁から、5月12日公表分の改正監督指針についてパブリックコメントの結果等(https://www.fsa.go.jp/news/r7/hoken/20250828/01.pdf)が公表されました。
https://www.fsa.go.jp/news/r7/hoken/20250828/20250828.html#%EF%BC%91
全体として202頁、468問ものQAが掲載されています。
1 適用時期
そして、適用時期ですが、8月28日当日から適用されています。
https://www.fsa.go.jp/news/r7/hoken/20250828/20250828.html
まさにこの適用時期に関するものとして、以下のQAがありますから、来年の改正法の施行を待たず、速やかな体制整備が必要です。
公表日時点で今回の監督指針改正を踏まえた態勢整備等が完了していなくとも、必要な準備・対応が進められている限りにおいては、直ちに問題視されるものではありませんが、今回の改正の趣旨に鑑み、速やかに態勢整備に取り組む必要があると考えます。
2 Ⅱ-4-2-1(4) 部分(№5~№20)
Ⅱ-4-2-1
(4) 特定保険募集人等(特定保険募集人及び損害保険会社の保険募集を専ら行う従業員をいう。Ⅱ-4-2-1(4)において同じ)の教育・管理・指導保険会社においては、保険募集に関する法令等の遵守、保険契約に関する知識、内部事務管理態勢の整備(顧客情報の適正な管理を含む。)等について、社内規則等に定めて、特定保険募集人の育成、資質の向上を図るための措置を講じるなど、適切な教育・管理・指導を行っているか。
また、保険会社においては、営業面への影響の大きさにかかわらず、保険代理店における体制整備や保険募集等の適切性について、日常的な教育・管理・指導に加え、代理店監査等を通じて検証し、課題等が認められた場合には期限を定めて改善を求めるなど、保険代理店に対する指導等が適切に行われるよう、その実効性を十分に確保しているか。
さらに、損害保険会社の保険募集を専ら行う従業員についても、保険募集に関して適切な教育・管理・指導を行っているか。
[①・② 略] ③ 保険代理店等に対する監査について
営業所等の拠点及び保険代理店の保険募集に関する業務内容について、以下のような点を含めて、監査等を適切に実施し、営業所等の拠点及び保険代理店の保険募集の実態や内部事務管理の状況等を把握しているか。また、監査等において内部事務管理が不適切な営業所等の拠点及び保険代理店に対し、適切な措置を講じるとともに、改善が図られるよう指導・検証する態勢を整備しているか。
ア.営業所等の拠点及び保険代理店に対する監査の周期は、営業所等の拠点及び保険代理店の業務の品質を確保するうえで有効なものとなっているか。
イ.監査等を実施する営業所等の拠点及び保険代理店の選定及び監査等の項目は、日常の管理を行う中で把握した情報や管理指標の異常値等に着目し、適時適切に見直しを行っているか。
ウ.監査等の手法として、保険代理店による自己点検のみに依拠することなく、無予告での訪問による監査等を実施できる態勢を整備しているか。
特に注目は№6、7、17、19です。
№6
Q.「営業面への影響の大きさにかかわらず」について、大規模な保険代理店との関係悪化による営業面への影響を懸念することなく、規模の大小を問わず、すべての保険代理店に対して、保険会社がリスクベ-スで適切な教育・管理・指導等を行うことを求めているという理解でよいか。A.貴見のとおりです。なお、リスクの評価に当たっては、苦情や不祥事件等の発生状況に加えて、保険代理店の事業規模や業務特性に照らして生じ得る各種リスクを多面的に捉える必要があると考えます。
リスク評価において、「苦情や不祥事件等の発生状況に加えて、」として、「保険代理店の事業規模や業務特性に照らして生じ得る各種リスクを多面的に捉える必要がある」とされました。保険代理店には様々な規模、業務特性があるので、きめ細やかなリスクのモニタリングが求められます。兼業代理店などは非常に大きな範囲を見る必要があります。
№7
Q.ここでいう「保険代理店」には、保険代理店である銀行等を含むという理解でよいか。また、銀行等に求められる体制整備義務のうち、保険業法以外の法令等に基づく場合であっても、保険募集に関わるもの(例えば、いわゆる「預金等との誤認防止措置」)については、今般の改正の趣旨を踏まえ、保険会社がその適切性について、日常的な教育・管理・指導や代理店監査等を通じて検証する必要があるか。A.貴見のとおり、「保険代理店」には、銀行等も含まれます。また、保険会社は、保険募集の公正を確保し、保険契約者等の保護を図る観点から、関係法令等の遵守も含め、保険代理店に対する適切な教育・管理・指導を行う必要があると考えます。
保険会社は・・・関係法令等の遵守も含め、保険代理店に対する適切な教育・管理・指導を行う必要があるとされました。
これは銀行に適用される様々な規制に関しても保険会社が関係法令等に含まれるかを自主的に判断し、適切な教育・管理・指導を行う必要があるとされたものとも読めます。
銀行の方がプロフェッショナルな事項に関しても、保険会社として「保険代理店に対するものとして」教育・管理・指導が求められるため、より研鑽が必要となりそうです。
№17
Q.代理店監査等を通じた検証について、監査等による確認・検証の頻度は、統一的なものではなく、保険代理店に対する指導等の実効性を確保する観点を踏まえた上で、保険代理店の規模や特性に応じた頻度で実施することも許容される、との理解でよいか。A.貴見のとおりです。
なお、頻度を検討するに当たっては、苦情や不祥事件等の発生状況に加えて、保険代理店の事業規模や業務特性に照らして生じ得る各種リスクを多面的に捉える必要があると考えます。
かなり具体的な回答だと思われます。
代理店監査を実施する頻度について、これまで苦情や不祥事検討の発生状況を中心に検討していた場合、新たに「保険代理店の事業規模や業務特性に照らして生じ得る各種リスクを多面的に捉える必要がある」とされています。
保険会社は代理店監査計画を改めて作成し直すことも必要かもしれません。
№19
Q.「代理店による自己点検」には、日本損害保険協会の策定した「代理店業務品質に関する評価指針」に基づき保険代理店が行う自己点検が含まれるという理解でよいか。A.貴見のとおりです。
「ウ.監査等の手法として、保険代理店による自己点検のみに依拠することなく、無予告での訪問による監査等を実施できる態勢を整備しているか。 」に関する部分です。「代理店業務品質に関する評価指針」に基づく自己点検のみでは保険会社による監査手法として不十分とされました。
▼【速報②】令和7年8月28日公表 「保険会社向けの総合的な監督指針」等の一部改正(案)に対するパブリックコメントの結果等の公表について を読む
https://hkn.jp/column/44/
執筆者プロフィール

- 株式会社Hokanグループ 弁護士/パブリック・アフェアーズ室長
兼コンプライアンス室長
2008年慶應義塾大学法科大学院卒業、2009年弁護士登録(東京弁護士会)。都内法律事務所・損害保険会社・銀行を経て、株式会社hokanに入社。平成26年保険業法改正時には、保険会社内で改正対応業務に従事した経験を持つ。「「誠実義務」が求める保険実務におけるDXの方向性(週刊金融財政事情 2024.9.17)」、「実務担当者のための今日から始める保険業法改正対応」(保険毎日新聞 2025.5.15~7.3)等を執筆。
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