コラム
登壇レポート:保険業法改正と業務負荷をチャンスに変える経営戦略@大阪

7月18日、ジブラルタ生命保険株式会社様が開催した代理店向け研修会にて
「保険業法改正・監督指針改正案から読み解く 業務負荷をチャンスに変える経営戦略」
と題して、講演の機会を頂戴しました。
5月12日に公表された監督指針改正案などを踏まえ、「いつまでになにをすればいいのか」「いまのままだとどんなネガティブなことがあるのか」など代理店の皆様に法改正対応の必要性といま何をするべきか、なにができるのかについてお話しさせていただきました。
保険業法改正対応では、「適正な業務運営ができているか」を後日検証することが各所で求められており(過度の便宜供与の防止など)、日常の業務の中で多くの証跡を残すことが重要になります。
そのため、どうしても業務負荷が増してしまいます。しかしながら、こうした業務負荷を単なる“負担”ととらえるのではなく、自社の組織力・信頼力・競争力を引き上げる“経営戦略”へと転換する視点をテーマに、CRMを活用した満期更改の業務効率化、品質の向上などをお伝えさせていただきました。
その後、代理店の皆様によるディスカッション。
業務効率化の工夫として、監査業務を外注している例などのお話しもあり、顧客に向き合う時間を捻出するため各代理店が様々な工夫をされていることがうかがえました。
「どうせやるなら、経営課題として本気でやる」。この視点を持つことで、業法対応はコストから投資へと変わります。
情報管理体制や社内統制、教育・研修制度の再整備は、中長期的な競争力の源泉になります。
本セミナーが、参加された皆様の「自社ならではの戦略」を再構築する一助となれば幸いです。今後も継続的に、制度対応と企業価値向上の両立をテーマにした情報発信を続けてまいります。
執筆者プロフィール

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株式会社Hokanグループ 弁護士/パブリック・アフェアーズ室長
兼コンプライアンス室長
2008年慶應義塾大学法科大学院卒業、2009年弁護士登録(東京弁護士会)。都内法律事務所・損害保険会社・銀行を経て、株式会社hokanに入社。平成26年保険業法改正時には、保険会社内で改正対応業務に従事した経験を持つ。「「誠実義務」が求める保険実務におけるDXの方向性(週刊金融財政事情 2024.9.17)」、「実務担当者のための今日から始める保険業法改正対応」(保険毎日新聞 2025.5.15~7.3)等を執筆。
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