導入事例

三井住友信託銀行グループの企業代理店が取り組むDX推進、利便性と記録厳正化の両立を実現

三井住友トラスト・ライフパートナーズ株式会社

エリア
関東
保険代理店の種類
企業内代理店
従業員数
153名
課題
  • 従来システムではシステムレスポンスが悪く、システムへの情報入力に対する心理的負荷がかかっていた
  • 従来システムの項目設定に柔軟性がなく、各部署独自のExcel管理帳票が作成され、 案件や活動の記録内容にばらつきが出てしまい、監査時に指摘を受けることがあった
  • 部署をまたいだ顧客情報管理、施策管理、顧客マーケティングができていなかった
効果
  • システムレスポンスが劇的に向上し、情報入力の負荷を軽減、利便性向上を実現した
  • 自社運用に即した項目設定のカスタマイズにより、システムへの情報入力が着実に実行され、 記録厳正化を実現、監査による修正対応を大幅に削減できた
  • 全部門で情報の一元管理が進んだことで、組織的営業・顧客マーケティングに活用できるようになった

三井住友トラスト・ライフパートナーズ様は令和元年5月に三泉トラスト保険サービス様から分社化し、三井住友信託銀行(以下、銀行)の100%子会社となった企業代理店です。今回は企画推進本部主幹の林様(写真右)、主任調査役の三枝様(写真左)、主任の石黒様(写真中央)にインタビューさせていただき、「hokan®︎」導入前のシステム検討の状態から、システム選定の流れ、導入後の活用による変化など、詳しくお話をお伺いしました。

 

▼三井住友トラスト・ライフパートナーズ様の公式HPはこちら

https://www.smtlp.jp/

 

情報の一元管理・自社運用に即した柔軟な運用設定を実現したい

-まずは、なぜシステムの導入を検討されていたのか、お伺いしてもよろしいでしょうか?

令和元年に銀行の子会社となったことを契機に、弊社は銀行グループの一部門として、銀行の戦略に基づいた各種施策を実施・実践することを目指しています。その実現のためには、銀行と密に連携できる「顧客管理システム」で情報を一元管理する必要性を認識していました。

以前は、オンプレミスの顧客管理システム(以下、従来システム)を利用していましたが、レスポンスの遅さや画面デザインのカスタマイズ性の低さなど、使い勝手に大きな課題がありました。具体的には、画面デザインがパッケージ化されており、レイアウト変更や不要項目の削除、項目名の変更ができませんでした。これにより、対応履歴や意向把握といった「記録の厳正化」を実現することが難しく、保険会社から連携されている契約情報の表示項目が少ないため、毎回保険会社のシステムにログインして確認する必要がありました。

このような使い勝手の悪さから、各部署では独自のExcel管理帳票が多く点在し、部署横断的な業務フロー策定や施策実施が困難でした。今後、これらの情報を一元化し、柔軟に活用できる顧客マーケティングを実践するためには、インフラの改善が不可欠であると認識し、新たな顧客管理システムの比較検討を進めることになりました。

さらに、従来システムはオンプレミスであるため、一定年数後に「サーバ更改」にかかる費用や、画面レイアウト変更・項目追加にかかる費用が発生し、多額のコストが必要となることも、費用抑制を図りたい背景としてありました。

 

-システムをどのようなプロセスで検討されたのか、なぜ「hokan®︎」に決定されたのか教えてください。

まず、初期導入コストを抑え、導入までの時間を短縮するために、クラウド導入を前提条件としました。次に、独自開発は行わず、保険代理店特化のシステム導入を検討しました。理由は二つあります。一つ目は、弊社には開発に必要なスキルや人員を割くことが難しかったためです。二つ目は、各部署が統一フローに適応することで、当時抱えていた課題を解決できると考えたためです。

これらの条件を基に「保険代理店特化のクラウドシステム」という観点で候補を絞り、Webサイトやヒアリングなどを通じて調査を行い、複数の企業から見積もりを取得しました。コストや機能詳細を再度精査した結果、最終的に「hokan®︎」を選定しました。その理由は、豊富なマスタ管理機能とユーザーが使いやすい施策が打てる点、そして開発力の高さにあります。特に、現場運用に大きく影響するディープリンク機能は、検討していたシステムに実装されていませんでしたが、hokanは驚くほど迅速にこの機能を開発・提供してくれました。

また、柔軟な権限設定ができる点も重要な理由でした。弊社では、新規獲得時と満期更改時で担当者が異なるなど、組織的営業をベースに業務を行っています。そのため、自身の担当先以外の顧客情報の参照やデータ登録が必要であり、「hokan®︎」の権限体系を見直していただきましたが、その対応も非常に迅速でした。

今回のシステム選定では、実際に利用する現場の意見を尊重するため、営業担当や現場管理、本部管理・施策実施などの各業務の有識者10-15名ほどを集め、「部署横断のプロジェクトチーム」を結成し、意見を募りました。「hokan®︎」最終選定後も、同チームと意見交換を重ね、スムーズに業務要件定義を進め、「hokan®︎」利用開始までの準備を円滑に行うことができました。

 


それぞれの経験と知恵を惜しみなく出し合い、「hokan®︎」利用開始を成功へ導いた「部署横断のプロジェクトチーム」集合写真。

 

-システムの変更は大きな意思決定になるかと思いますが、経営層はどのように説得されたのでしょうか?

従来システムの使い勝手の悪さは既に経営層に共有されており、システム変更に対する懸念はほとんどありませんでした。初期導入コストを考慮してクラウドシステムを選定し、独自開発リスクを避けるために保険代理店特化のシステムを採用することは、弊社の状況に理にかなった選択であり、特に懸念はありませんでした。これにより、導入リスクを最小限に抑える点を事前に共有できました。

システム選定の具体的なフェーズでは、経営層は事務局の意見を尊重していましたが、最終選定において議論がありました。それは、hokanがスタートアップ企業であり、社歴が浅く、安定した企業とは言い難い状況の中で、銀行100%子会社である弊社がその導入に踏み切れるのかという点です。また、銀行グループの企業代理店での導入事例もありませんでした。

事務局では、機能優位と考えた「hokan®︎」を導入するため、hokanや他の情報源から多くの情報を収集しました。両社の経営層同士の直接面談を経て、経営層も十分な情報を得た上で「hokan®︎」を選定する決断に至ったと考えています。社外取締役・監査役、および銀行の弊社所管部署への事前説明についても、hokanからの情報提供と協力がなければ、適切に説明することは難しかったでしょう。

 

部署横断のプロジェクトチームの活躍が大きな役割を果たす

-「hokan®︎」利用開始までの流れや導入の負荷についてはいかがでしたでしょうか?

業務要件定義においては、「記録厳正化」を推進するため、現場担当者の活動記録や案件・成果登録に、多くのチェック項目を新たに設定しました。これらの項目は、入力と参照が容易であることが求められたため、前述の「部署横断のプロジェクトチーム」も参画し、細部に至るまで議論を重ねました。

また、hokanの担当者もこの会議に何度も出席し、「hokan®︎」のベース機能について積極的に知識共有していただきました。業務要件定義の過程では、実際の「hokan®︎」の画面を確認しながら、現場の感覚に基づいた設計を進めることができました。

最もリスク・負荷が大きかったのは、現場への導入でした。その第一歩として、講師の目が届きやすい比較的少人数の単位で導入研修を行いました。弊社は3拠点に分かれているため、導入研修の開催数は延べ68回に及び、要請に応じて補習も行うほど『hokan®︎』の浸透を徹底しました。また、全ての部署長に部員の習熟度を判定させる仕組みを導入し、全員が一定のスキルレベルに達していることを確認しました。その結果、各担当者は熱心に知識を習得し、『部署横断のプロジェクトチーム』のメンバーが『hokan®︎』導入をリードし、現場のスキルアップを牽引しました。

次にリスク・負荷が大きかったのは、従来システムからのデータ移行でした。従来システムは2015年に導入され、約8年間運用していたため、データ量は膨大でした。ただ、現場の意見を反映し、ほぼ全データを移行することにしました。

最終的に「hokan®︎」の利用開始に至る判断は、社長以下による「移行判定」に基づいて行われました。この「移行判定」は、要件定義、実務研修(習熟度判定)、データ移行、保険会社や他の対外対応、BIツール業務構築、RPA導入、規程類作成などの項目で構成されており、それぞれについて社長の承認を得てGO判定が下されました。

 

-現在、「hokan®︎」をどのように活用され、その結果どのような効果が生まれているでしょうか?

システム変更により掲げていた「ユーザ利便性の向上」、「記録の厳正化対応」、「手作成管理業務の集約」、「顧客マーケティングの実践」の4点について、それぞれに変化が見られています。

まず、「ユーザ利便性の向上」について、システムのレスポンスが大幅に改善され、各種検索も格段に容易になりました。案件や活動の記録と成果との連携も、従来より柔軟に行えるようになり、機能の更新頻度が高いことから、要望も順次実現され、非常に助かっています。

次に、「記録の厳正化対応」では、営業プロセスに沿った選択式やチェックボックス形式の項目を設定したことで、記録の正確性が向上しました。これにより、文字入力の内容も充実し、担当者が「記録として残すべき情報」を理解しやすくなりました。結果として、監査の指摘事項や不備が減少し、募集人の記録文化が醸成され、全体のレベルが向上していると実感しています。

「手作成管理業務の集約」については、まだ道半ばですが、RPAを活用し合理的なソリューションを展開予定です。特に、Excelでしか管理できないと考えていた帳票を「hokan®︎」に集約する可能性が見えてきた点は大きな進展です。

最後に、「顧客マーケティングの実践」では、BIツールによるデータハンドリングのスキルも徐々に向上しており、現在は顧客・契約・活動・案件を軸に、マーケティングに資するユーザー向けデータベース(名称「hokanDB」)を日次作成し、社内展開できております。

 

「旬を逃さない営業」を実現するために

-今後、「hokan®︎」を利用して、どのようなことに取り組んでいきたいとお考えでしょうか?

弊社は現在、「組織的営業」を実践・推進しており、担当者間だけでなく、店部間や拠点間での顧客情報連携が必須です。この「hokan®︎」を利用して、顧客ニーズを的確に把握し、より良い提案を行い、業務効率化と顧客満足度の向上を目指しています。

これまでのコンプライアンス・リスク管理目線に加えて、今後は営業・マーケティング目線での管理項目も追加していきます。優良顧客の情報集約が容易になり、顧客担当者以外の接触者によるフォローも可能になります。さらに、保険会社の顧客アンケート情報も集約し、分析することで「旬を逃さない営業」を実現したいと考えています。

上記と合わせて、BIツールを活用し、「hokanDB」の利用を推進することで、業務管理の「見える化」を進め、スピーディな経営判断やオペレーションリスクの低減、コンプライアンスリテラシーの向上を図ります。データ分析は「旬を逃さない営業」において重要なスキルです。

また、損保業務に重点を置いた体制の下、非対面チャネル営業を推進し、クラウドコールセンターの本格導入を進めます。これにより、「hokan®︎」への情報集約とマーケティング強化を目指します。

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