導入事例
企業内代理店が取り組む次世代保険システム構築の道のり
三井物産インシュアランス株式会社
- エリア
- 関東
- 保険代理店の種類
- 企業内代理店
- 従業員数
- 120名
- 既存システムでは情報入力の負荷や文字数制限などの使いにくさにより、入力が徹底されなかった
- 成績集計においてグループ別や種目別の売上比率の集計や満期リストなどの抽出にマネージャーの工数がかかっていた
- システムへの入力に加え、社内共有のために別途メールを作成していたため、工数がかかっていた
- カスタマイズ性の高いシステムであるため、営業と事務間での情報連携の活性化や、入力漏れの未然防止を実現した
- 契約や案件状況を柔軟に検索、リスト化できることでマネージャーの集計業務や経営管理がしやすくなった
- 案件状況の可視化やシステム内の通知機能により情報共有の活発化と円滑なコミュニケーションを実現した
「契約情報が一元化されておらず、データの検索が大変」「案件の進捗状況が共有されず、フォローが遅れる」などのお悩みを抱える保険代理店も多いのではないでしょうか?
今回は、「hokan®︎」を導入して情報の一元管理やデータ活用を実現した三井物産インシュアランス株式会社の中野様、鳴海様、竹平様、福田様にお話を伺いました。
(三井物産インシュアランス株式会社の会社HPはこちら)
保守対応の終了から始まったシステムリプレイスの決断と新たな挑戦
システムを検討するきっかけや導入に至る経緯について教えてください。
竹平様:もともとカスタマイズした顧客管理システムを使っていましたが、保守対応の終了が近づいたため、システムのリプレイスを検討することになりました。
社内では、既存ベンダーの後継システムに移行する方が混乱が少ないのではないか、という意見もありましたが、新しいベンダーのシステムも検討するべきだという声もあり、比較検討を進めることになりました。
当時は、「データが分散している」「紙の情報が残っている」といった使い勝手以外の問題も抱えており、これらを解消する必要がありました。システムのリプレイスにあたり、デジタル化の遅れやデータ活用の必要性が認識されていたため、ゼロベースで課題を整理し、比較検討して決めることにしました。
具体的には、次世代システム構築推進プロジェクトチーム(役員、経営企画部、営業推進部、コンサルタントなどのメンバー)を立ち上げて、以下のプロセスで進めました。:
①社内システムの課題把握
②解決策の整理
③RFI(情報提供依頼)
④RFP(提案依頼)
⑤コンペティション
⑥決定
新しいシステムで特に重視したのは、「情報の一元管理」と「データの活用」です。最終選定プロセスでは、60項目の評価基準を設け、社内外の評価を基に比較検討しました。その結果、「hokan®️」に決定したという流れです。
色々な課題を感じられていたようなのですが、詳しくお伺いしてもいいでしょうか?
鳴海様:営業の立場から見ると、システムへの入力が大きな負担でした。「システムに情報を入力する」こと自体が面倒に感じられ、情報が入力されないこともありました。さらに、以前のシステムでは文字数制限や改行ができないなどの使いにくさがあり、入力が徹底されませんでした。
中野様:マネージャーの立場からは、データの検索や集計が難しい点が大きな問題でした。例えば、三井物産グループの売上比率や種目別の売上、過去の推移、毎月の満期契約などのデータを調べたい時に、すぐに検索できないという状況でした。
顧客対応がスムーズに。hokan®️導入で見えた効果
個人職域領域でhokan®️を利用されていると伺いました。利用開始後はどういう業務で使っていて、どのような効果が生まれているのか教えてください。
福田様:個人職域領域では、損害保険チームと生命保険チームが存在します。以前のシステムでは、顧客との対応状況を確認するページがチームごとに分かれており、同一の顧客に対して2つのチームが同時に対応する際に、各チームのページをそれぞれ確認する必要がありました。確認が不十分で、異なる担当者が同様の案内をしてしまう状況が発生していました。
こうした状況は、hokan®️の導入によって解消されました。hokan®️ではすべての対応履歴がお客様単位で時系列順に表示されるため、最新の情報が一目でわかるようになりました。また、全体の履歴を確認できるようになったことで、顧客から入電があった際に、他チームの問い合わせに対しても迅速に対応できるようになりました。
保全業務でも使われているのでしょうか?何か改善されたことがあればお伺いしたいです。
福田様:保全業務も効率化されました。以前のシステムでは世帯を紐づけする機能がなかったため、逝去に伴う契約者変更があった場合、元の契約者が誰なのか把握するのが困難でした。hokan®️には世帯の紐づけ機能があるため非常に分かりやすくなりました。以前のシステムでは相続人等を備考欄に登録する方法しかなく、登録が漏れていた場合には改めて調査が必要で、これは経験を要する難しい作業でした。hokan®️の世帯の編集機能は一目瞭然で世帯関係を確認できるため本当に助かっています。
先ほどのお話で「データの検索や集計」が課題になっていると伺いましたがマネージャー目線での導入効果はありましたか?
中野様:システムの使い方に慣れていない人でもデータに簡単にアクセスできるようになり、経営管理がしやすくなりました。条件を設定してデータを抽出したり、満期情報を取り出したりするのもスムーズになりました。
業務の効率化を支えるシステム設定と改善の取り組み
運用開始後はどういう課題がありどのように改善されたのでしょうか?
福田様:メモの通知機能により社内での情報連携がスピーディに行えるようになりました。生命保険のメンバーが顧客から損害保険についての質問を受けた場合、以前の連携方法はメールでした。システムに詳細内容を入力した上で、別途メールを作成しなければならず、しかもメール本文には個人情報を入れないようにするなど作成には特に気を使っていました。連携を受けた損保チームのメンバーも、システムで顧客を検索して、対応履歴ページを開いて、など、多くの作業工程が必要でした。
hokan®️を導入してからは、わざわざメールを作成することなく、メンション機能で担当者とチームに通知を飛ばず事ができるようになりました。メールリンクから該当のメモにアクセスすることができるため、通知がきただけですぐにコールバックできるようになりました。
またhokan®️では各種の設定内容を手軽にカスタマイズできるので、募集時に記録するべき項目を常にブラッシュアップすることで、継続的な業務効率化が図れています。
「プロジェクト機能」も活用されていると伺いました。どういう設定の工夫をされて、どういう効果が出ているのか、具体的に教えていただけますでしょうか。
(※プロジェクト機能は新規営業、満期更改、保全、事故対応等、案件の進捗状況を一元管理し、円滑なコミュニケーションを促進する機能です)
鳴海様:プロジェクト機能は募集プロセスや事務連携、事務ミス防止のために営業現場で活用しています。工夫している点としては、必須項目の設定ですね。
通常、プロジェクト機能で作成された案件情報は、一つずつ工程を進めていきます。しかし、営業プロセスによっては複数の工程を一度に飛ばすこともあります。そのような場合でも、重要なプロセスである意向確認は必ず行うように、必須項目として設定しました。口頭で伝えても忘れることがあるので、この必須項目の設定で、入力漏れを防げるようになったかなと思います。
その他、導入後に効果を感じた部分はありましたか?
竹平様:プロジェクト機能の各種設定を自分たちでカスタマイズできるようになったことは大きな変化でした。以前のシステムでは「カスタマイズをしたい」と感じても都度改修費用がかかってしまうため思うようにできなかったのですが、今ではそれが自分たちの好きなタイミングでタグを追加するなど、追加費用なくできているというところにすごくメリットを感じています。
hokan®️活用で目指すマーケティング強化とネットワーク構築
ありがとうございます。最後に、今後hokan®️を使ってどういうことを行なっていきたいかをお伺いできますでしょうか。
中野様:今後は、他のシステムツールと連携させて、マーケティングやリスク管理、内部統制に活用していく予定です。具体的にはまだ議論が始まったばかりですが、お客様のニーズに合わせて適切なタイミングで提案できる体制を整えていきたいと考えています。
また、データがしっかり入ることで異常値の検知が早くなるので、監査ツールと連携して迅速にリスクを検知し、対策を見直す仕組みを作ることも目指しています。
さらに、hokan®︎を利用する企業同士でネットワークを構築し、管理業務の効率化やリソースの共有、新しい共同募集手法の開発も進めていきたいです。例えば、同じシステムを使う会社同士であれば、人材をローテーションすることが可能になり、そういった施策を行うことでお互いに知見を高めていくことができます。hokan®︎に格納されたデータを他のシステムがAPIなどで利用できるようになれば、hokan®︎を利用する企業間のデータ連携などリソースの共有が可能となり、さまざまなことができるようになると考えています。